小児看護の問題点
乳児期
乳児期に多い病気は、風邪・湿疹・中耳炎・アトピー性皮膚炎などです。母親の胎内から免疫をもらって産まれているので、生後半年くらいはあまり病気にかかりにくとされています。先天性の病気や新生児特有の病気などもあるので、産まれてからすぐの異変には注意が必要です。
この時期の問題は、患者である赤ちゃん本人と明確な意思疎通ができないこと。ただ、発熱や吐き気などの体調不良があれば泣いて訴える、顔色が悪い、ぐったりするなどのサインを見せてくれます。よく観察して症状を読み取ってあげましょう。軽症だと思っていても、重篤な病気に繋がることもあります。
幼児期
幼児期になると活動が活発になり、感染症や事故の危険性が高まります。この時期に多い病気は、風邪・手足口病・水疱瘡・ヘルパンギーナなど。保育園に通うようになると、必ずと言っていいほど何らかの病気にかかるでしょう。怪我や異物の誤飲などにも注意が必要なため、家庭への支援も大切になります。
乳児期の問題は、子ども自身がまだ自分の症状をうまく伝えきれないこと。病院嫌いな子も多く、いかに恐怖心を取り除き、スムーズで適切な処置をしてあげられるかが看護師の課題です。小児看護技術が試されますね。
学童期
学童期になると免疫がついてきて、個人差はありますが病気になることも減ってきます。多いのは風邪やインフルエンザなどですね。
注意したいのは、この時期から肥満や生活習慣病になる子どもがいるということ。食事の欧米化、外食産業の発達、共働き夫婦が増加したことなどにより、子どもたちの食生活が乱れているのが原因です。また、学童期にはうつやキレるなど、精神的に不安定な要素を持つ子どもも見られるようになってきます。学童期の小児看護には、家庭環境や学校、生活にも目を向けた支援が求められます。
思春期
第二次性徴の時期でもある思春期。男女で病気に違いが見られたり、精神面のフォローが大切になったりと、接し方に注意を払いたい時期でもあります。
思春期の女子によく見られる病気は、鉄欠乏性貧血や月経異常、摂食障害など。月経による鉄欠乏や無理なダイエットなどが原因です。生活を見直せば改善される場合もあれば、思春期外来などで専門医の診察を受けたほうがいい場合もあるため、注意深く観察することが大切です。
体も心も、子どもから大人へと変化するこの時期。本人たちがその変化に戸惑い、ついていけないということもよく見られます。本人はもちろん、家庭や学校など、さまざまな面から支えてあげることが大切です。
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